ゴールデンウィークが明けると毎年増えるのが、気力の低下や出社困難など、いわゆる「5月病」の相談です。これは本人の問題だけでなく、会社にも法的な対応義務があることをご存知でしょうか。
■ 1. 会社には「安全配慮義務」がある
労働契約法第5条は、会社が従業員の生命・身体・健康に配慮する「安全配慮義務」を負うことを定めています。
重要なのは、従業員本人からの申告がなくても、会社は労働環境に十分な注意を払わなければならないという点です。「本人が何も言わなかった」は免責理由になりません。
メンタルヘルス不調を放置して休職・退職・労災につながった場合、安全配慮義務違反として損害賠償を求められるリスクがあります。
■ 2. ストレスチェックは「義務」です(50人以上の事業場)
2015年から、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、年1回のストレスチェックの実施が義務化されています(労働安全衛生法)。
実施していない場合は労働基準監督署への報告義務違反になります。GW明けのこの時期に、今年度の実施計画を確認しておきましょう。
■ 3.【最新情報】50人未満の会社にも義務化へ
2025年5月に改正労働安全衛生法が公布され、これまで「努力義務」だった50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務化されることが決まりました。
施行は「公布から3年以内に政令で定める日」とされており、早ければ2026〜2027年に施行される見通しです。
50人未満の会社も、今のうちから準備を進めておくことをおすすめします。
■ 4. 会社が今すぐできる5月病対策
【管理職向け】
・部下の様子の変化(遅刻・欠勤・ミスの増加など)に気づいたら早めに声をかける
・「最近どうですか?」という一言が早期発見につながります
・相談を受けたら、否定せず傾聴することが大切
【制度面】
・社内の相談窓口(産業医・EAP)の周知
・復職支援制度の整備(休職規定の確認)
・管理職へのメンタルヘルス研修の実施
■ 5. 休職・復職の対応も事前に準備を
5月病が重篤化すると休職に至るケースもあります。就業規則に以下が整備されているか確認してください。
・休職の開始要件と期間
・休職中の給与・社会保険の取り扱い
・復職の判断基準と手続き
・休職期間満了時の対応
規定が曖昧なまま休職者が出ると、対応に苦慮することになります。
■ まとめ
GW明けのメンタルヘルス不調は毎年起こります。「なんとなく元気がない人がいる」で終わらせず、会社として適切な体制を整えることが、リスク管理と人材確保の両面で重要です。
就業規則の整備やストレスチェック導入のサポートも、たなか事務所にお任せください。
